唇の荒れ・皮がむける原因は脂漏性皮膚炎

唇の荒れ・皮がむける原因は脂漏性皮膚炎
唇がすぐに荒れる、唇の皮が毎日大量にむける、 毎日リップクリームを何度もつけないと唇が正常にならない、という場合、 脂漏性皮膚炎が原因かもしれません。

特に、唇の乾燥対策や炎症対策として、 リップクリームをつけたり、ビタミン剤などを飲んでいるにも関わらず、 症状(唇の荒れ)が全く改善しない場合には、 唇の脂漏性皮膚炎を疑ってみるといいかもしれません。

ここでは、唇が荒れている、唇の皮がむける原因が、 脂漏性皮膚炎である場合の特徴について、 その見分け方と改善方法を紹介しています。


唇が荒れる一般的な原因

唇が荒れる、唇の皮がむける原因はいくつかあります。

しかし、その症状は、 原因によらずほとんど同じ様に見えるため、 なかなか区別がつきません。

また、唇の乾燥対策や口唇炎(唇の炎症)対策を行っても、 原因が脂漏性皮膚炎の場合、ほとんど効果がありません。

唇の荒れの一般的な原因
  • 乾燥
  • 接触性皮膚炎、口唇炎
  • ビタミンB、亜鉛の欠乏
  • 甲状腺機能低下症、乾癬
  • 脂漏性皮膚炎

乾燥

最も一般的な唇荒れの原因ですが、 その根本とする原因は、以下の4つです。
  • 外気の乾燥
  • 脱水
  • 無意識に唇を舐める
  • 口呼吸
これらが唇の荒れの原因の場合、 原因に心当たりがある人が多く、 比較的容易に治療しやすいことが特徴です。

例:外気の乾燥の場合、 リップクリームをつける、または、加湿器を利用するなど。

接触性皮膚炎(口唇炎)

口唇炎は唇が炎症を起こしている症状の総称のため、 以下、接触性皮膚炎について、紹介しています。

唇が「なにか」に触れることで、 炎症を起こしている接触性皮膚炎ですが、 その原因は様々です。

特に接触性皮膚炎の原因として多いのは、口紅、歯磨き粉、洗顔料の成分(界面活性剤、ラウリル硫酸ナトリウムなど)などで、 これら成分は、人によってアレルギー反応が出る場合や、 乾燥の原因となります。

これらが原因の治療法は、 接触性皮膚炎の原因となっている成分を特定し、 商品を変える根本治療や、商品の利用前にリップクリームで唇を保護するなどの方法が有効です。

ビタミンB、亜鉛の欠乏

ビタミンBや亜鉛の欠乏によって、唇が荒れる場合があります。

反対に、ビタミンAの過剰摂取は唇や肌の乾燥肌や皮膚炎の原因となります。

ビタミンAは通常の食生活からでも、 十分な必要量を得ることができるため、 特に栄養補助食品などでビタミンAを摂取している場合、 やめることで唇の荒れが改善することがあります。

参考:平成26年 東京大学 「過剰なビタミンAが引き起こす皮膚炎の原因を解明―線維芽細胞が司るマスト細胞の組織特異性のかく乱―」

甲状腺機能低下症、乾癬

甲状腺機能低下症の特徴の一つが肌の乾燥ですが、 この乾燥がひどい場合には、唇のひび割れなどとして現れます。

また、乾癬も肌、唇の乾燥を引き起こし、 脂漏性皮膚炎と見分けがつきにくいことも特徴です。

脂漏性皮膚炎による唇の荒れの特徴

唇の荒れ・皮がむける原因は脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎とは、「頭皮のフケ」(参考:フケの原因は脂漏性皮膚炎)に代表されるように、 「過剰な」あるいは「あまりにも早い皮膚の新陳代謝」を特徴とする病気です。

頭の脂漏性皮膚炎(フケ)を例に、 2007年に発表された皮膚治療薬の専門書によると、 「フケが目立つ人は、通常の人の2倍近く、 800,000セル/平方cm以上が頭皮が剥がれ落ちている」としており、 この「過剰な」あるいは「あまりにも早い皮膚の新陳代謝」が脂漏性皮膚炎の特徴です。

症状

これが唇に起こった場合も同様で、 唇の皮膚が異常な新陳代謝により、 古い皮膚を剥がれ落とそうとして、 かさぶた(上記写真)のようになり、 荒れているように見えます。

そのため、脂漏性皮膚炎を原因とする「唇の荒れ」の症状の特徴は、 「ひび割れ」ではなく、「かさぶた唇」、「うろこ唇」、「唇の皮膚がめくれる・はがれる」 ことを特徴とします。

脂漏性皮膚炎「唇の荒れ」の症状
  • かさぶた、うろこの様な、厚めの皮が唇にできる
  • 毎日、唇の皮がむける(自然にははがれない。)

脂漏性皮膚炎を原因とする「唇の荒れ」の治療方法

唇の荒れの原因が脂漏性皮膚炎の場合、 他の脂漏性皮膚炎(フケ、顔、その他)と 同じ治療方法が有効です。

ただし、患部が唇のため、以下の様な工夫が必要になります。

皮膚科でも口唇炎と診断される場合がある

病院によっては、唇の脂漏性皮膚炎は、口唇炎と診断されるケースがあります。

口唇炎は唇の炎症の総称のため、 対処療法としては有効ですが、 薬をつけないと毎日かさぶたができる症状は治りません。

※脂漏性皮膚炎の一般的な特徴である「頭皮(フケ)」、「おでこ」、「鼻の横」などに 脂漏性皮膚炎の症状がでていない場合、 脂漏性皮膚炎と診断されないケースが多いと思われます。

ニゾラールローションは一日2回以上塗る

脂漏性皮膚炎の治療薬として最も利用されるのが、「ニゾラールローション」です。

利用方法は薬局で説明を受けますが、 残念ながら、唇に特化したニゾラールローションの利用方法を知っている薬剤師の方はあまり多くありません。

一般的な利用方法は、 他の患部同様、一日2回添付ですが、 唇の場合、「異常な厚み」のある「かさぶた」ができるため、 これらを剥がしてから、ニゾラールローションを添付するようにします。

理由は、これら皮を剥がさないと、 薬が患部に浸透しないため、 全く効果が出ないからです。

ご参考:ニゾラールローションの使い方

飲み物を飲む時は、ストローを使う

患部が唇のため、 飲料、食事、洗顔などで有効成分が洗い流されてしまう可能性があります。

そのため、ニゾラールローションをつけるタイミングは、 1回目は寝る前、 2回目は昼食後などが理想です。

また、飲み物を飲む場合はストローを利用し、 薬が落ちないようにします。

完治するには

脂漏性皮膚炎の原因として推測されている「肝臓機能の正常化」、「慢性の消化不良」、 「特定の食物(特に乳脂肪が豊富なもの)」は、 自然に脂漏になりやすい人の皮膚に有害な影響を及ぼすと考えられています。

そのため、ニゾラールローションによる治療以外に、 食生活の見直し(お菓子やデザート、お酒などフケの原因となる食べ物を止める)、胃・腸・肝臓機能の健康を心がけるなどにも注意が必要です。

参考:1913年 RL SUTTON著「THE DIAGNOSIS AND TREATMENT OF SEBORRHEIC KERATOSES OF THE LIPS」(日本語訳:唇の脂漏性ケラトースの診断と治療)

脂漏性皮膚炎はなかなか治らない、再発する

脂漏性皮膚炎を患ったことがない人には、 少し残念なお知らせになりますが、 脂漏性皮膚炎はフケや顔の症状同様、 「なかなか治らない」、かつ、「何度か再発する」ことを特徴とする疾患です。

(ご参考:脂漏性皮膚炎の特徴

この原因は、脂漏性皮膚炎の完治には、 上記の様に生活習慣の見直しを必要とするため、 なかなか実行できないからです。

この「再発性」は人によっては(完璧主義の人など)、 非常にショックを受けることがありますが、 治療方法が明確なため、症状が出てもすぐに対処できますので、 あまり心配し過ぎる必要はありません。


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