フケの原因-ホルモンバランス
ホルモンバランスの不均衡(過不足)という場合、、 「女性ホルモン」、「男性ホルモン」、「甲状腺ホルモン」など 様々なホルモンを指すものの、 フケに影響する主なホルモンは「アンドロゲン」、「エストロゲン」、「甲状腺ホルモン」、「副腎皮質ホルモン」の4種類です。
ここでは、フケとホルモンバランスの関係について、 紹介しています。
フケに影響するホルモン一覧
フケの原因となったり、フケを悪化させる原因となる主なホルモンは以下の通りです。フケに影響するホルモンバランス
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アンドロゲン(男性ホルモンの総称)過剰による皮脂の増加
アンドロゲンがフケの原因となるのは、アンドロゲンが皮脂の生産をコントロールするからです。これはフケのうち、特に脂性フケに影響を与えます。
これを証明する幾つかの証拠は、思春期前の皮脂分泌が少ない年齢においては、 フケや脂漏性皮膚炎が発症しないこと(ただし、母体の影響を受ける乳痂を除く)や、 女性において皮脂の分泌が少なくなる更年期以降、脂漏性皮膚炎の症状が出にくくなることです。
1942年の皮膚科学誌に記載されている内容によると、 去勢(アンドロゲンは主に精巣で作られるため、去勢されるとアンドロゲンの量が減る)され皮脂の分泌が1/3になった男性では、 脂漏性皮膚炎がほとんど見られず、 テストステロンを投与されると脂漏性皮膚炎を再症すると記載されています。
アンドロゲンとフケについては、 フケの原因/男性ホルモンをご参照下さい。
エストロゲン欠乏による頭皮や肌の乾燥
エストロゲン欠乏は乾性フケの原因です。このタイプのフケはエストロゲンが大きく減り始める40歳以降の女性に多く見られます。
エストロゲンの欠乏は、 皮脂腺の活動を低下させ皮脂量を減少させること以外に、 ヒアルロン酸の産出を低下させてしまいます。
この皮脂量の減少とヒアルロン酸低下による水分量の減少は、 乾燥肌や乾性フケをもたらします。
甲状腺ホルモン低下による頭皮や肌の乾燥
甲状腺ホルモンの低下は乾性フケの原因となります。甲状腺ホルモンが低下した状態である病気「甲状腺機能低下症」の主な症状が乾燥肌です。
特に乾燥しやすい冬に顕著で、 肌だけでなく乾燥した髪や頭皮をもたらします。
1974年に行われた「皮脂分泌の制御および測定」という研究調査によると、 「甲状腺機能低下症を患う人の皮脂量は健常者と比較して有意に低かったが、 甲状腺機能低下症の重症度と皮脂量の間には相関関係はなかった」と述べています。
これは重症度に関わらず、甲状腺ホルモンの分泌が少ない場合、 肌や頭皮が乾燥しやすいことを意味しています。
ただし、1973年ドイツで行われたチロキシン(甲状腺ホルモンの一種)の研究において、 「甲状腺機能低下症の薬を服用している場合、 皮脂量は回復すると述べている一方、 甲状腺ホルモンが回復しても皮脂量は回復しない場合もある」としており、 その作用秩序は未だ分かっていません。
副腎皮質ホルモン(コルチゾール)過剰による免疫力の低下
ストレスによって増加するコルチゾールは、 皮脂活動の増加あるいは減少に直接影響は与えません。ストレスとフケの関係は免疫力の低下によるものです。
ストレスによって生成されるコルチゾールは、 免疫力を低下させ、皮膚の炎症を抑制・緩和する働きがあります。 この働きが薬に応用されているのがステロイド薬です。
ストレスによってコルチゾールが増加することは、 免疫力を低下させることにつながり、 フケの原因であるマラセチア菌の増殖を促します。
特に脂漏性皮膚炎の原因の1つが、「個人の免疫応答力」と考えられているため、 ストレスを抑制することはフケの悪化を防止することにつながります。
脂漏性皮膚炎の原因については、 脂漏性皮膚炎の原因をご参照下さい。
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