フケの原因となる病気(ストレス・HIVなど)

フケの原因となる病気(ストレス・HIVなど)
病気の症状として、フケが出ることがあります。
HIV/エイズ、ストレス、心臓発作などです。

このフケを伴う病気には、 心臓発作や頭部外傷など、なぜフケが出るのか原因がわかっていない病気と、 HIVやストレスなど免疫力の低下によってもたらされる病気があります。

ここでは、フケの原因となる病気と、 なぜフケが出るのかについて紹介しています。


フケの原因となる病気一覧

フケの原因となる病気一覧
■免疫力の低下によるもの
  • HIV/エイズ
  • 免疫系疾患
  • ストレス
■原因不明
  • 心臓発作
  • 脳卒中
  • 頭部外傷
  • 神経疾患(多発性硬化症、パーキンソン病、重症筋無力症など)

HIV/エイズ

HIV患者の多くはフケを発症します。

調査国や調査対象によって異なるものの、HIV患者のおよそ10~80%がフケを発症しており、 この数字は健常者と比較しても非常に高い数字となっています。

イギリスの皮膚科専門誌に掲載された内容によると、 「HIV患者のおおよそ20~83%が脂漏性皮膚炎を患っている」と発表しています。

また、別の調査では、 HIVに感染した人の10.6%は、脂漏性皮膚炎を患っている」と発表しています。

なぜHIV/エイズでフケ

HIV患者がフケを発症するのは、 「免疫力の低下」と「皮膚表面の脂質の異常化」によるものです。

1990年、JAAD(アメリカ皮膚科学ジャーナル)に掲載された内容によると、 HIV患者は皮膚表面の脂質に異常が見られた、と発表しています。

この調査では、4つの群(HIV陽性&脂漏性皮膚炎あり、 HIV陽性&脂漏性皮膚炎なし、HIV陰性&脂漏性皮膚炎あり、HIV陰性&脂漏性皮膚炎なし)に対して、 皮膚表面の5つの脂質(コレステロール、遊離脂肪酸、トリグリセリド、ワックスエステル、 スクアレン)を測定した結果、以下の様な結果が得られました。

HIV陽性(陰性)とフケの関係
  • コレステロールおよびワックスエステルは、4つの群で同等
  • HIV陽性群では、トリグリセリド(中性脂肪)およびスクアレンが有意に増加
  • HIV陽性群では、遊離脂肪酸が有意に減少
  • 遊離脂肪酸とトリグリセリドには強い負の相関が認められる

これら結果から、 脂漏性皮膚炎の存在に関わらず、HIV陽性群では皮膚表面の脂質異常が起こり、 脂漏性皮膚炎の発症に関係するのでは、と結論づけています。

※この結果は、脂漏性皮膚炎患者の「トリグリセリドの減少、遊離脂肪酸の増加」と正反対の結果となっています。
この結果が意味することが、 「マラセチア菌の増加がないにも関わらず、自己免疫力が低下するだけで脂漏性皮膚炎が発症する」 ことを意味するのか、「トリグリセリドの過剰でも脂漏性皮膚炎になる」ことを意味するのか、 データが不足しているため不明です。

ストレス

ストレスがフケの原因となるのは、 ストレスによるコルチゾールレベルの増加が免疫力を低下させるためです。

2001年、皮膚科学雑誌に掲載された内容によると、 「ストレスは皮膚応答や肌のバリア機能を変更する」と発表しています。
また、2007年に発表された研究内容によると、 フケ症状の有無については記載されていないものの、 「うつ病や不安に苦しむ82人の患者の多くが頭皮の過剰な剥離を持っていた」と発表しています。

フケのうち、特に脂漏性皮膚炎に関しては、 マラセチア菌の存在以上に、「個人の免疫力」が重要と考えられており、 ストレスによる免疫力の低下はフケの原因、悪化要因となってしまいます。

ストレスとフケについては、 フケの原因-ホルモンバランスをご参照下さい。

心臓病、脳卒中など

心臓病、脳卒中、頭部外傷、多発性硬化症、パーキンソン病、重症筋無力症などの病気を患った人は、 フケや脂漏性皮膚炎を突如発症することがあります。

しかし、これら病気がなぜフケに繋がるのか、その因果関係は分かっていません。
このうち、パーキンソン病は「皮脂量を増加させることがフケの原因では」と考えられています。


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