脂漏性皮膚炎とは
そのため、単純な脂症、汗っかき、オイリースキンがフケの原因だと考えていたところ、 「実は脂漏性皮膚炎だった」ということも多々あります。
脂漏性皮膚炎はその重症度が個人によって大きく異なり、 また、その原因は完全に理解されていないものの、 炎症を伴わない軽度のフケの場合、 比較的早期に治療できます。
ここでは脂漏性皮膚炎によるフケとその治療について、紹介しています。
脂漏性皮膚炎とは
脂漏性皮膚炎の特徴は、「慢性」、「再発性」、「紅斑(こうはん:赤い盛り上がり)」、「皮膚の剥離」を特徴とする皮膚疾患です。しかし、脂性フケは「炎症を伴わない脂漏性皮膚炎」と呼ばれるように、 紅斑の症状がでないため、多くの人がご自身が脂漏性皮膚炎だと気づきにくくなっています。
発症部位
脂漏性皮膚炎は比較的皮脂腺が多く存在する部位=汗をかきやすい場所にできます。2007年スペインで行われた2,159人を対象にした調査によると、 顔が最も症状が現れやすく88%、 頭皮が70%で、胸で22%でしたが、腕や足など汗をかきにくい部位での発症は1~2%しかいませんでした。
脂漏性皮膚炎の発生部位
■頭・顔
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■その他 |
乳児の脂漏性皮膚炎は乳痂(にゅうか)
生後6ヶ月以内の赤ちゃんに見られるカサブタやフケは乳痂(にゅうか)と呼ばれ、 これも脂漏性皮膚炎です。ただし、この脂漏性皮膚炎にはかゆみはありません。 赤ちゃんのフケ(乳痂(にゅうか))については、 赤ちゃんのフケ原因と治療をご参照下さい。
人口、割合
脂漏性皮膚炎患者の割合は人口のおおよそ1~5%程度と推測されます。2009年アメリカBikowskiスキンケアセンターが発表した調査によると、 アメリカではおよそ5%が脂漏性皮膚炎の患者であると発表しています。
一方、カナダのトロント大学の調査によると、 脂漏性皮膚炎患者の割合は1~3%で、女性よりも男性により多く見られる、と発表しています。
他の国や調査機関でも1~5%とする結果が多く、 日本も概ね同様と思われます。
年齢、遺伝
上記スペイン バルセロナで16歳以上の脂漏性皮膚炎患者2,159人を対象に行った調査によると、 患者の平均年齢は43.6歳で、42%が両親のうちどちらかが脂漏性皮膚炎を患っていたと回答しています。また、脂漏性皮膚炎の治療を開始した平均年齢は33.7歳でしたが、 脂漏性皮膚炎の最も一般的な人物像は「40代で頭皮(フケ)と顔に症状が出ている患者」である、と発表しています。
合併症
脂漏性皮膚炎の合併症
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同調査によると、 脂漏性皮膚炎による合併症で最も多かったのは、 「ストレス・うつ・疲労」で76%の人がその症状を訴えていました。
その他合併症は、にきびが35%、 また、季節変動による症状の変化・悪化が44%でした。
症状
脂漏性皮膚炎の症状は発症部位、重症度によって異なります。また、同じフケの症状でも人、季節、環境によって異なり、 「じめじめ」でなく、「カサカサ」している場合や「ウロコ」、 「カサブタ」になっている場合もあります。
ある脂漏性皮膚炎患者において、「髭剃り利用後、常にほほからカサカサした粉が出ていたため、乾燥肌だと考えていたところ、 脂漏性皮膚炎だった」というケースや「耳垢が大量に出るので皮膚科に行ったところ脂漏性皮膚炎だった」など、 本人も脂漏性皮膚炎だと気づかないケースが多々あります。
脂漏性皮膚炎の一般的な症状とフケの特徴は以下の通りです。
脂漏性皮膚炎の症状
■顔やその他特徴
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■フケの特徴(多様性が見られる)
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脂漏性皮膚炎の原因に続きます。
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