フケでないかも?フケ症状が出る病気

フケに似た病気
フケの症状が出る病気や、フケと似た病気がいくつか存在します。

しかし、これら病気は症状としてフケが出るものの、 フケが出るそもそもの原因は「病気」であるため、 フケ治療以外に元となる病気の治療が必要です。

ここでは、フケと病気について、
  • フケと間違いやすい・異なる病気
  • フケであるものの異なる名称で呼ばれる病気
  • フケを合併しやすい・フケの原因となる病気
について紹介しています。


フケに似た症状が出る病気

頭皮の剥離、脱落を伴うことから広義にはフケであるものの、 「しらみ」、「アトピー性皮膚炎」、「乾癬」はフケとは区別される病気です。

しらみ

フケと似た病気、シラミの卵
かゆみで頭を掻くため、正常な皮膚を傷つけ剥がし、 それらがフケに見えたり、しらみの死骸をフケと勘違する場合があります。

抜け毛の根本2~3mmに丸い触ってもすぐに取れない卵があったら、 しらみの可能性が高く、 治療には専用の薬による根絶が必要となります。

アトピー性皮膚炎

フケと似た病気、アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎が頭皮にも及ぶ場合、白い粉が落ちる為、 症状はフケと見間違えることがあります。

しかし、アトピー性皮膚炎の場合、 頭だけ(フケ)に症状が出ることは稀です。

また、フケとは異なり皮膚の乾燥とアレルゲンを原因とするため、 異なる治療が必要です。

乾癬(かんせん)

フケと似た病気 乾癬(かんせん)
病気の初期には頭のフケ、かさぶたの症状で始まる為、 フケとほとんど見分けがつきません。
時間経過により、フケとは異なる症状が出てきます。

フケと異なる症状は「乾癬の部分と正常な皮膚の境界がより明確に別れる」ことですが、 症状が頭部だけの場合、識別が困難な場合があります。

フケの別名称として知られる病気

頭部粃糠疹(ひこうしん)

フケは医学用語で「頭部粃糠疹(とうぶひこうしん)」あるいは「頭垢(ふけ)」といい、 この語彙では、「頭部の粃糠(中身のない価値のないものという意味、ここでは糠の様な死んだ頭皮や角質を示す)が剥がれ落ちる症状」、「頭に生じた垢(アカ)」という意味があります。

この意味で利用される場合、「アトピー性皮膚炎」や「乾癬」など頭皮が剥がれ落ちる病気の症状も、 フケという場合があります。

乳児湿疹(乳痂)

フケと似た病気 乾癬(かんせん)
生後1歳くらいまでの赤ちゃんの頭部や顔に発症するフケ、カサブタを「乳痂(にゅうか)」と言います。

このフケは医学的には「乳痂」、「脂漏性皮膚炎」、広義には「乳児性湿疹」と呼ばれ、 母体のホルモンの影響により、皮脂が出過ぎていることが原因です。

このフケは赤ちゃんの成長に伴い母体のホルモンの影響が薄れることから、 ほとんどが自然に治癒します。(通常2歳前後まで)

しかし短期間とは言え、フケそのものが気になる場合は、 小児科で治療したり、ご家庭でワセリンや重曹などを使って取り除くこともできます。
この赤ちゃんのフケやカサブタの取り方については、 赤ちゃんのフケ、乳児湿疹をご参照下さい。

脂漏性皮膚炎

フケと似た病気 乾癬(かんせん)
脂漏性皮膚炎は発症する部位と重症度により、外観が全く異なります。

重症の場合、「皮膚炎」と呼ばれるように炎症を伴い、 また患部は頭だけでなく顔、胸、背中など広範囲に及ぶものの、 頭部にフケだけが出るような軽症の場合もあり、 脂性フケは「炎症を伴わない脂漏性皮膚炎」とも言われます。

そのため、単純な脂症、汗っかき、オイリースキンがフケの原因だと考えていたところ、 「実は脂漏性皮膚炎だった」ということも多々あります。 脂漏性皮膚炎については、脂漏性皮膚炎とはをご参照下さい。

フケを発症しやすい病気、フケの原因となる病気

病気の合併症として、フケが出ることがあります。

脂性フケの原因となる病気

脂性フケ、特に脂漏性皮膚炎の原因となる病気には、 「HIV陽性」、「免疫系疾患」、「ストレス」など免疫力の低下を原因とする病気の他、 心臓発作や脳卒中など原因不明で脂漏性皮膚炎になるケースが確認されています。

脂性フケの原因となる病気一覧
■免疫力の低下によるもの
  • HIV/エイズ
  • 免疫系疾患
  • ストレス
■原因不明(病気後発症)
  • 心臓発作
  • 脳卒中
  • 頭部外傷
  • 神経疾患(多発性硬化症、パーキンソン病、重症筋無力症など)

脂性フケの原因となる病気の詳細については、 フケの原因となる病気(ストレス・HIVなど)を、 また免疫力の低下がなぜフケの原因となるかについては脂漏性皮膚炎の原因ご参照下さい。

乾性フケの原因となる病気

乾性フケの原因となる病気は頭皮の荒れ・乾燥をもたらす病気です。
この乾燥をもたらす病気には、アトピー性皮膚炎や乾癬なども含まれますが、 治療方法が異なるため、フケとは分けています。

肌・頭皮の乾燥をもたらす病気
  • 甲状腺機能低下症
  • 糖尿病
  • アレルギー性皮膚炎
  • 接触性皮膚炎
  • 尿崩症(にょうほうしょう)
  • 血流の悪化

乾性フケの原因となる病気は、シャンプーや頭髪製品による 一次刺激性接触性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎など、 頭皮の炎症により乾燥をもたらす病気の他、 糖尿病や甲状腺機能低下症のように皮膚(頭皮)の乾燥、発汗の減少を顕著な症状とする病気があります。

特に甲状腺機能低下症は女性の約1割にも及ぶと言われ、 女性はもともと皮脂量が少ないため、 乾性フケの原因になることがあります。


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