脂漏性皮膚炎に効果のあるシャンプー一覧
この抗真菌タイプのフケ用シャンプーは、 「ケトコナゾール」、「シクロピロックス」、「コールタール」など、 いくつかの種類が販売されています。
ここでは、脂性フケと脂漏性皮膚炎に効果のあるシャンプーの有効成分一覧とその効能について紹介しています。
脂漏性皮膚炎、脂性フケに効果のあるシャンプー一覧
脂漏性皮膚炎、脂性フケに効果のある有効成分一覧
有効成分 | 効果・効能 |
ケトコナゾール | 抗真菌 |
シクロピロックス | 抗真菌 |
コールタール | 細胞の成長低減 |
亜鉛(ジンク)ピリチオン | 抗真菌 |
サリチル酸 | 角質溶剤+抗真菌 |
硫黄 | 角質溶剤+抗真菌 |
硫化セレン | 抗真菌 |
ピロクトンオラミン | 抗真菌 |
ケトコナゾール
フケだけでなく、水虫、白癬、カンジタ、癜風など、多くの真菌感染症に効果がある抗真菌薬です。原因となる菌の成長を遅くすることで病気や症状の発現を抑えます。
1993年、アメリカ皮膚科学アカデミーに掲載された論文によると、 246名の患者に対して、 ケトコナゾール、硫化セレンとプラセボ群を比較したところ、 「ケトコナゾール、硫化セレンどちらのシャンプーも治療期間を通じてフケの症状が改善された」と記載しています。
また、ケトコナゾールを有効成分とする処方箋薬である「ニゾラール」の臨床試験では、 73.8%に脂漏性皮膚炎の治療効果があったと記載されています。
ただし、ケトコナゾールは1%以上含有すると、 医師の処方箋が必要となるため(ケトコナゾールを有効成分とするニゾラールローションは2%含有)、 ケトコナゾールシャンプーは海外からの個人輸入のみ購入可能となっています。 (※アメリカでは医師の処方箋を必要としません。)
シクロピロックス
ケトコナゾールがアゾール系抗真菌薬と呼ばれる作用により抗真菌効果があるのに対し、 シクロピロックスはなぜ抗真菌薬として効果があるのかは分かっていません。しかし、フケをはじめ白癬、カンジタ、いんきんたむし、爪水虫など多くの真菌感染症に効果があります。
シクロピロックスは炎症、乾燥、かゆみなどのアレルギー反応が出ることがあるため、 医師の処方箋が必要となっており、 シクロピロックスシャンプーは海外からの個人輸入のみ、購入可能となっています。
コールタール
コールタールは主にフケと乾癬の治療に用いられる角質柔軟化です。皮膚の細胞の成長を遅らせることで、 フケの剥離の減少、かゆみを減らします。
1998年イギリスオークス病院で行われた調査では、 274名のフケおよび脂漏性皮膚炎患者に4種類( 1).コールタール4%シャンプーと2).プラセボシャンプー、 および、3).コールタール+ケトコナゾール、4).コールタール+シクロピロックス)を比較したところ、 1).コールタールだけのシャンプーは他の抗菌シャンプーより、 効果は低かったものの、 3).コールタール+ケトコナゾール、4).コールタール+シクロピロックスでは、 大幅な改善をもたらした、と発表しています。
ただし、コールタールは 金髪や白髪の場合、髪の変色をもたらす例や、 長期利用で毛穴のにきびを引き起こすなどの副作用が出る場合があります。
亜鉛(ジンク)ピリチオン
亜鉛(ジンク)ピリチオンは原因菌の細胞分裂を阻害することによって、 フケ、脂漏性皮膚炎、乾癬などの治療に効果のある成分です。2006年にイギリスの皮膚科専門誌に記載された内容によると、 32名のフケ患者に対して、1%ジンクピリチオンシャンプーを 使用頻度を変えて利用したところ、 2週間に1度の使用ではほとんど効果がなかったものの、 3~9回の利用者では、フケの軽減に大きな効果があった、と報告しています。
サリチル酸
サリチル酸は古くから痛みや発熱を緩和する成分として知られ、 にきび、乾癬、うおのめ、関節痛などに有効な成分として知られています。フケへの作用秩序は角質溶剤としての効果とともに、 原因菌の抑制効果があります。
アメリカPPD社(臨床関連の大手会社)の研究によると、 フケ患者154名(うち脂漏性皮膚炎70名)に対し、3%サリチル酸とケトコナゾール2%シャンプーを適用したところ、 患者本人の自己評価において、各種症状の大幅な改善が示された、と報告しています
硫黄
硫黄はフケ以外ににきび、酒さ、疥癬などに効果のある成分です。サリチル酸同様、角質溶剤および、抗細菌、抗真菌効果があります。
ヨーロッパで行われた48名の重度のフケ患者に対して、 1平方cmあたりのフケの落屑の数を比較したところ、 硫黄2%、およびサリチル酸2%シャンプーはプラセボ群と比較して 有意な減少を示した、と報告しています。
硫化セレン
硫化セレンはフケ以外に、癜風、白癬、脂漏性皮膚炎に効果のある成分で抗真菌効果があります。クイーンズ大学で行われた研究によると、 ケトコナゾール2%シャンプーと硫化セレン2.5%シャンプー、プラセボ群を比較したところ、 246名の患者に対して、 ケトコナゾール2%シャンプーと硫化セレン2.5%シャンプーは治療期間を通じて かゆみや刺激などプラセボ群より有意に効果がありました。
硫化セレンの含有量は1%および2.5%があるものの、 日本では、まだ未販売のため、購入には個人輸入が必要です。
ピロクトンオラミン(オクトピロックス)
真菌感染症の治療に使用される化合物です。日本ではライオンより、オクト薬用シャンプーなどが販売されています。
2011年化粧品化学の国際ジャーナルに記載された内容によると、 0.45%ピロクトンオラミンのシャンプーは患者の自己評価において、 頭皮のかゆみを90%低減し、 頭皮の剥離、フケの量を低減するのに有意な効果があった、と報告しています。
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